無機質な夜が続く日々だったのに、
今日だけは少し違っていた。
ひんやりした郷愁の匂い。
密やかに暗がりを飾る星。
まばらで控えめなアポロ色の死が、
濡れた黒いアスファルトにちりばめられている。
だから、十月、この時期だけは、
誰もいない路を歩いても寂しくならない。

#金木犀の香りを文章に表す